株式会社A-SEEDS(本社:長野県松本市、代表取締役:柳生茂希)は、オーストラリアの細胞・遺伝子治療製品製造が専門のCDMO(注)であるCell Therapies Pty Ltd(本社:メルボルン、以下「Cell Therapies」)と、技術移管および治験製品製造の契約(以下「本契約」)を締結しました。本契約に基づき、Cell Therapiesは、当社のCAR-T細胞製品の製造プロセスおよび品質試験の技術移管を進めるとともに、GMP下での治験製品製造および品質試験を実施する予定です。
本契約は、当社が開発するCAR-T細胞製品「ACS2015」を用いた、オーストラリアにおける臨床試験CARTiEr E312試験を対象としています。
(注) CDMO:Contract Development and Manufacturing Organization:医薬品開発製造受託機関
ACS2015は、EPHB4を標的とするCAR-T細胞製品で、臨床試験中の「AP8901」と同等の製品です。AP8901の製造プロセスの最適化により、凍結アフェレーシスから製造が可能になるなど、より臨床応用に適したCAR-T細胞製品となっています。AP8901については、ユーイング肉腫やその他の固形腫瘍の患者を対象とした第Ⅰ相臨床試験「CARTiEr E211試験」が、国立がん研究センター東病院において進行中であり、忍容性、安全性および初期的な有効性の評価が行われています。
固形腫瘍の患者を対象としたCARTiErE312試験は、Cell Therapiesへの技術移管を進めるとともに、オーストラリアの倫理委員会(HREC : Human Research Ethics Committee)への申請が完了し、2026年前半の試験開始に向けて順調に準備を進めています。本契約により、治験製品のGMP製造体制が確保され、日本で培ってきた当社の技術の価値を海外で実証するための製造・治験実施体制が整うことになります。
なお、A-SEEDSはACS2015/AP8901に加えて、GM-CSF受容体(GMR)を標的とするCAR-T細胞製品「AS116」も臨床段階にあります。AS116は、急性骨髄性白血病(AML)の患者を対象とした第I/II相臨床試験「CARTiEr G111試験」が信州大学医学部附属病院で進行中であり、安全性、忍容性および初期的な有効性の評価が行われています。
■ A-SEEDSについて
株式会社A-SEEDSは、信州大学発のバイオベンチャーとして、非ウイルス遺伝子改変技術を活用したCAR-T細胞療法の研究開発・臨床実装を推進しています。2020年の創業以来、「いまだ治療法の少ないがん患者さんに有効な治療を届け、一人でも多くの人々が生きる希望を見出せる社会の実現」をビジョンに掲げ、固形がんや骨髄系腫瘍を含む難治性がんに対する次世代CAR-T細胞製品の開発に取り組んでいます。
A-SEEDSに関する詳細情報は、以下ウェブサイトをご覧ください。
https://www.a-seeds.co.jp/
■ Cell Therapiesについて
Cell Therapies Pty Ltdは、細胞・遺伝子治療分野における世界的なCDMOとして、2003年の設立以来、細胞療法・遺伝子療法・細胞免疫療法・再生医療等製品のGMP製造において豊富な実績を有しています。Peter MacCallum Cancer Centreと緊密に連携し、プロセス開発、GMP製造、分析技術開発、凍結保存、品質管理、規制対応、臨床試験支援まで一貫したソリューションを提供しています。
メルボルン・バイオメディカル・プレシンクトの中心に位置する同社のGMP施設には、商業規模のハイスループット製造室3室と初期臨床向け小規模クリーンルーム10室を備え、年間最大2,000患者分の製造能力を有します。Cell Therapiesは、オーストラリアTGAおよび日本の厚生労働省からGMP製造認証を受けており、製造製品のグローバル対応が可能です。
Cell Therapiesに関する詳細情報は、以下ウェブサイトをご覧ください。
https://celltherapies.com/
■株式会社A-SEEDSについて
| 会社名 | 株式会社A-SEEDS |
| 所在地 | 長野県松本市旭三丁目1番1号信州地域技術メディカル展開センター |
| 代表者 | 柳生 茂希 |
| 設立年月 | 2020年4月 |
| 資本金 | 5999万9983円 |
| ホームページURL | https://www.a-seeds.co.jp/ |